家族で住んでいるとき、転勤は突然訪れます。同じ土地に長年住み続けることのできる人は少なく、サラリーマンにとって転勤はつきものです。妻にしてみても、夫の急な引越しに驚くことは多いです。

このとき、夫だけが単身赴任するのではなく、家族全員で引越しをする場合の転勤については、どのようなことに注意して準備を進めていけばいいのでしょうか。

引越し回数の多い人の代表として、転勤族があります。転勤族であると、数年に一度は辞令が出て家族単位での引越しをしなければいけません。そうしたとき、転勤族がどのように引越しをしているのか家訓すれば、スムーズに引越しできるようになります。

引越しでは労力が大変ですし、お金も高額になるので引越し貧乏に陥りやすいです。そこで、事前に適切な対策を取らなければいけません。

家族の引越しは非常に大変

単身赴任などのように、夫だけが転勤先に赴く場合であると、荷物は少なく引っ越し代金はそこまでかかりません。また、役所での手続きもそこまで発生しません。確かに引越し自体は大変ですが、単身引越しだとそこまで煩雑ではないのです。

一方で子供のいる家族が引越しをする場合、荷物が多いので引越し料金は高額になりますし、かなり煩雑な手続きをしなければいけません。

具体的には、単身赴任と比べて以下のような作業が追加発生するようになります。

  • 荷物の断捨離(大量廃棄)
  • 住民票の移動などの役所手続き
  • 学校など、子供関係の手続き

単身引越しに比べてこうしたものが発生するため、やることや手続きを事前に把握し、きちんと引越しできるようにしましょう。

荷物が多いと引越しで苦労する

まず、家族引越しではどうしても荷物が多くなります。たとえ子供が小さかったとしても、おもちゃを含めて子供用品は場所を取ります。そのため、荷物が積み重なるようになるのです。

例えば、以下は4人家族で引越しをしたときの様子ですが、ダンボールだけでもこれくらいの量になります。

引越しをするとき、荷物量が多いとそれだけ引越し代金は高くなってしまいます。

また転勤族を含め、サラリーマンであると次にいつ引越しをすることになるのか分かりません。引越しのとき、無駄に荷物が多いと荷造り作業は非常に大変です。

こうしたことから、家族での転勤引越しでは断捨離をします。一回きりの引越しで終わる可能性が低いからこそ、最初からできるだけ荷物を減らすようにするのです。引越しの当日までに、ごみ捨てを頑張るようにしましょう。

断捨離を決行する

まず、あなたの家にはどのような家具や家電製品があるでしょうか。また、どのような衣類や食器類が存在するでしょうか。

これらのうち、使用頻度を考えてみてください。年に1~3回ほどしか使用しないものは捨ててしまいましょう。例えば、他の人が家に来たときに泊めるための布団があったとします。これは本当に必要でしょうか。両親が来たときに泊まる場合であっても、思い切って捨ててしまいましょう。

また、衣類やバッグをためこんでいる人は非常に多いです。たとえ高価なブランド品であっても、買取に出すなど積極的に処分するといいです。

本や書類など、非常に重くなるものについては当然捨てていきます。子供用品も同じです。子供が作った作品についても、心を鬼にして捨てるようにしましょう。

食器についても、来客用の食器が必ず存在すると思います。「結婚式の引出物としてもらった食器」などを含め、私であっても以下のようなそれなりに高価な食器類を保有しています。

しかし、これらについても使用頻度が多くないものについては廃棄処分したり、買取に出したりして荷物を減らすようにするといいです。「もったいない」という気持ちは不要です。家族引越しでは荷物量を少なくするのが大原則のため、これに従いましょう。

断捨離を決行することで、荷物量が3分の2ほどに減ることはよくあります。引越しのとき、トラックサイズを小さくできれば、その分だけ値段は安くなります。例えばトラックサイズが半分になれば、引越し代はおよそ半額になります。それだけ、引越しでは荷物量によって値段が左右されるのです。

荷造りの量を減らせるように断捨離をすれば、引越しでの費用が安くなって引越し貧乏になる確率を少しでも減らすことができます。

引越し業者に粗大ごみを捨ててもらう

なお、断捨離を決行するとはいっても、すぐに捨てることのできないものとして大型の家具や家電製品があります。燃えるゴミならすぐに出せますし、本や書類などであれば資源ごみで回収してくれます。ただ、粗大ごみだと捨てるのが大変になります。

そうしたとき、私が頻繁に活用しているのが引越し業者の利用です。オプションにはなりますが、引越し業者に粗大ごみを代わりに捨ててもらうのです。

例えば私の場合、過去に電子レンジを業者に捨ててもらったことがあります。このとき、ガムテープで「×」をされてトラックに積み込まれました。

自分で粗大ごみに出す必要がないため、非常に便利です。業者によって対応は異なりますが、家具や家電製品を捨てるときに業者を利用するといいです。

引越し料金を安くするコツ

できるだけ荷物を減らすように努力するのは当然として、転勤族を含め家族引越しがある場合は引越し貧乏を避けるようにしましょう。そこで、引越し代を安くするコツを学ばなければいけません。

いつ転勤の内示が出るかというと、サラリーマンでは直前になることが多いです。急な引越しになるため、急いで引越しをしようと考え、一社だけに見積もり依頼をする人は多いです。

ただ、これでは大きく損をしてしまいます。引越し料金には相場がないため、見積もりを複数社で比較しなければ確実に値段が高額になるからです。荷物を減らすこと以外に、引越し貧乏を避ける大原則は「見積もりの比較」にあります。

例えば、以下は子供のいる5人家族での引越しです。閑散期の引越しですが、荷物量が多く長距離での引越しだったので値段は高めです。

まったく同じ条件ですが、片方では270,000円であり、もう一方では198,720円となっています。つまり、7万円以上も値段が異なります。こうしたことがあるのは普通なので、引越し代の費用負担を軽減するためにも見積もり比較は必須です。

たとえ会社負担があるとはいっても、「〇万円を一律支給」などの補助にしている会社がほとんどなので、それ以上の金額については自腹になります。そこで、こうした値下げ策を実施しましょう。

役所手続きを行う:住民票の移動など

このように将来的なことを考え、荷物を積極的に捨てていきながら荷造りを進めていきましょう。ただ、それだけでなく役所手続きをしなければいけません。

このとき、以下のような手続きが発生するようになります。

・住民票の移動

特に子供が保育園・幼稚園や小学校、中学校に通っている場合、家族引越しに伴って住民票の移動が必要です。単身赴任であれば、住民票を移す必要はありません。ただ、子供関係で家族が引越し場合、必ず住所変更が必要になります。

住民票を移すには、旧居の役所で転出届を提出するようにしましょう。役所に行けば、以下のような用紙が必ず置かれています。

旧居で住民票を提出したら、今度は新居の役所で転入届を出すことになります。これにより、正式に住所変更されます。

なお、住所変更に伴って発生する面倒な作業がたくさんあります。こうしたものとして、以下のようなものがあります。

・児童手当の変更

児童手当とは、「中学生になるまでの子供のいる家庭」に対して支給されるお金になります。住んでいる地域(=住民票のある市区町村)から児童手当が支給されるため、住民票の提出によって住所変更をする場合、旧居で児童手当の廃止をしたあと、新居の役所での申請手続きが必要になります。

様式は自治体によって異なりますが、以下のような書類を提出することになります。住民票の変更のために役所に出向いたとき、同時に児童手当について聞いておきましょう。

児童手当の額は大きいため、確実に申請手続きを済ませるようにするといいです。

・その他、一般的な手続き

なお、住民票の変更に伴って「運転免許証の更新」「印鑑登録をし直す」など、家族引越しに関わらず行わなければいけないことが存在します。これらについては、当然やっておくようにしましょう。

子供関係の転校手続き

そして、転勤による家族引越しでは子供関係の手続きが存在します。事前にやることを理解したうえで、準備をしなければいけません。

特に子供関係については、旦那よりも奥さんがメインで動くようになります。そのため、妻は早めに転校手続きについて学んでおくようにしましょう。このとき、「保育園・幼稚園」と「小学校・中学校」の2パターンに分けて考える必要があります。

・保育園や幼稚園

保育園や幼稚園は引越しによる転園が可能です。ただ、これについては保育園や幼稚園の空き状況によります。

特に都市部だと、保育園が空いていないことがよくあります。定員いっぱいのため、それ以上は受け付けてくれないのです。

そこで会社の辞令によって急な転勤引越しが決まった場合、早めに引越し先の自治体に連絡して保育園の空き状況を聞くようにしましょう。できるだけ早めに聞くことが重要です。一方で幼稚園の場合であれば、園へ直接電話して空き状況を聞いてみるといいです。

・小学校や中学校

空き状況が重要になる保育園や幼稚園とは異なり、小学校や中学校では義務教育なので必ず受け入れてもらえます。

このとき、旧居で通っていた学校では「在学証明書」「教科書給付証明書」などの書類をもらうようにしましょう。転校するときに必要な書類であるため、担任の先生に伝えて入手するといいです。

その後、新居の学校へ書類を提出したり、役所で手続きをしたりすれば問題なく転校手続きを完了させることができます。

・転勤族の挨拶について

なお、家族で転勤をするときに近所への挨拶を行うのかどうか心配する人がいます。これについては、挨拶をしなくて問題ありません。

たとえ転勤族のように、数年おきに引越しをする人であっても引越し先で挨拶をすることはありません。挨拶のことは考えず、引越しの段取りをどのようにするのかだけ意識を向けるようにしましょう。

大変な家族での転勤引越しを行う

あらゆる引越しの中でも、非常に大変なものが家族での転勤引越しです。家族引越しで荷物が多いにも関わらず、急な引越しになって時間が少ないからです。荷造りの作業に追われながら、子供関係の手続きまでしなければいけません。

そのため、「疲れたので引越ししたくない」「引っ越し作業が辛い」と考えてしまいがちです。旦那であれ妻であれ、やることや準備が多いため、不安が大きくどうしても作業が進まなくなります。

そこで、何をすればいいのか明確にしましょう。転勤族に限らず、サラリーマンでは辞令によって働く場所がコロコロと変わる恐れがあるため、荷物量は最小限にする必要があります。そこで断捨離を決行し、できるだけ荷物を減らすようにしましょう。

また、それと同時に役所手続きが発生します。主に「住民票の移動に伴って発生する手続き」であり、児童手当などの手続きは忘れずに行うといいです。同時に子供の転園や転校の準備を済ませ、スムーズに学校を変えられるようにしましょう。

家族引越しは荷造りの準備が大変なだけでなく、面倒な手続きも多くなります。そこで、急な転勤であったとしても問題なく引っ越しできるよう、スケジュールを把握して準備を進めるといいです。


引越しのとき、必須となるのが「複数社から見積もりを取ること」です。引越し価格には定価がなく、引越し業者によって見積もり額はバラバラです。そのため複数の業者から見積もりを取るだけで、何万円も節約できます。

例えば、以下は5人家族の長距離引越しで見積もりを取ったとき、4社に見積もりを依頼しました。このとき、最高額は438,264円でした。一方、最も安い業者は198,720円であり、半額以下の料金になりました。複数業者へ依頼しないだけで、大きな損をすることになります。

ただ、自ら業者を探して電話をかけるのは大変です。そこで、必要な情報を入力するだけで完了する一括見積もりを利用しましょう。

引越し侍

引越し侍ではアート、サカイ、日通、アリさんなどの大手が登録しており、入力作業は30秒で終わります。無料で利用できるサービスなので気軽に利用できます。

さらに大手だけでなく、中小の引越し業者も登録しているので低価格な引越しが可能になります。最大15社まで見積依頼でき、できるだけ複数の業者の見積もりを取り、最安値で引越しをしたい人に適しています。

おすすめの人気記事

・引越し料金を値切り、最安値の引越しを実現する時期や価格交渉術

引越し価格を安くするためには、適切な方法が存在します。見積もりを比較するのは当然として、例えば休日ではなく平日の引越しにするだけで、1万円以上の値引きは簡単です。

また、同じ日であっても午前の引越しを午後にするだけでも値引きが可能です。こうした価格交渉術について解説しています。

引越し価格を安くする交渉術

・引越しの割引制度(早割、紹介割引、社員割引)に意味がない理由

多くの場合、引越し業者は割引制度を設けています。ただ、残念ながらこうした割引はまったく意味がありません。引越しには定価が存在しないからです。

この事実を認識すると、なぜ引越しで何社もの見積もりを取らなければいけないのか理解できるようになります。格安引越しをするためにも、知識をつけなければいけません。

引越し業者の割引は無意味

安い引越しを実現する、訪問見積もりのコツや流れ、事前準備

見積もりのとき、必ず訪問見積もりとなります。電話やメールだけの見積もりでもいいですが、ほぼ100%の確率で失敗します。追加料金が必要になり、非常に高額な引越しになるのです。

ただ、訪問見積もりではどのような流れになるのでしょうか。またどう接すればいいのでしょうか。引越し業者の営業マンが訪問に来たときの対処法について確認していきます。

引越し業者の営業マンへの対処法

見積もり比較サイトでの引越しはおすすめ!料金はいくら安いのか

実際に見積もりを依頼するとき、自ら業者を調べて電話するのは非常に手間です。そこで、ほとんどの人が一括見積サイトを利用します。

ただ、そのような見積もり比較サイトが適切なのでしょうか。利用方法に違いはあるのでしょうか。これらを明らかにしていきながら、おすすめの見積もり比較サイトを紹介していきます。

おすすめの見積もり比較サイト